くらしの図鑑

安部権内家【町指定文化財】

河北町

  • 種類:座敷蔵他
  • 構造:土蔵造
  • 年代:江戸時代末期(天保年間)

(指定名称:旧安部家住宅と屋敷)

 

河北町紅花資料館のはす向かいには、黒塀に囲まれた立派な蔵のあるお屋敷があります。これは町指定の文化財・旧安部家として知られる安部権内家です。

 門へと続く入口には、独特の火番小屋が建っていて、その脇から薬医門に続く石畳と“火伏せの木”と言われる白樫の並木があります。昔は火事の時に家を守るためにと、こうした火に強い木を敷地のまわりへ植えたようです。

 主屋と蔵が建設されたのは江戸時代末期、その後に渡り廊下でつながれた新座敷と呼ばれる離れがつくられました。増築こそしていますが、江戸時代から明治・大正と現在まで受け継がれてきた豪農屋敷の姿をほぼそのまま残しているとても貴重なものです。

 座敷蔵は敷地の奥にあり、主屋に直交する配置で建っています。主屋から直接出入りする入口と、池泉回遊式を思わせる大きな裏庭から入る入口があり、お客さまは庭を通って蔵座敷へ案内されました。

内部は次の間と上段間の二間続きで、この二つの座敷は、はっきり内装の仕上げが分かれているのが特徴的です。柱や長押などの木部が次の間は赤茶色ですが、上段間は自然な木の色になっています。これは上段間のほうが、より綺麗な木目や木肌の厳選された木材を使用していることが伺えます。二間をつなぐ鴨居のところで綺麗に仕上が分かれていました。

 安部権内家は地元大工の手で建てられました。こうした適材適所と木目までこだわった職人たちの細やかな配慮と技術の高さを垣間見ることができます。

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