くらしの図鑑

河北町紅花資料館(旧堀米四郎兵衛家)

河北町

  • 種類:座敷蔵、荷蔵他
  • 構造:土蔵造
  • 年代:座敷蔵:蔵座敷-江戸中期   荷蔵:武者蔵-嘉永6年、御朱印蔵-文久3年

 

 べに花の里・河北町でも指折りの紅花豪商だった堀米四郎兵衛家の屋敷が町へ寄贈され昭和59年に紅花資料館として開館しました。

 蔵座敷は江戸時代中期に建てられ当時6棟あったうちの「一番蔵」と呼ばれていました。町内でも最も古い蔵のひとつで、建設当初は荷蔵だったものを後に座敷蔵へ改修したものです。庭を望む大きな地窓と数寄屋普請(すきやぶしん)のしつらえで、蔵座敷の中をよく見て回ると亀がいます。

 長屋門脇に顔をみせる武者蔵は、農兵を組織していた堀米家の武器庫でした。入口正面の大きな箱階段や2階の小屋組みが登り梁となっている様子から大きなものも効率的に、安全に搬出入できたのではないでしょうか。武者蔵は二番蔵とも呼ばれていました。

 御朱印蔵という一風変わった蔵があります。平面が2.4m×3.2m程度の小さな蔵ですが、見た目はお社のようです。吉川村根際(現西川町)にあった新山権現社と御朱印状を納めるために建てられました。木鼻には二頭身の愛らしい獅子が彫刻されています。昭和45年には、町指定文化財に指定されました。

 入口周囲に廻る大きな濠には鯉が泳ぎ回っていて、休日にはエサを与えにくる親子連れの姿を目にします。かつて豪商が住んでいた屋敷が、今では穏やかな憩いの場となっています。蔵は一部非公開のものもありますが、今後さまざまな取組みの中で、にぎわいを広げていくことが期待されます。

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