柏倉九左衛門家(正式名称:旧柏倉家住宅)【重要文化財】
中山町
- 種類:座敷蔵2棟、仏間蔵1棟、荷蔵、他
- 構造:土蔵造
- 年代:座敷蔵:内蔵-明治4年、前蔵-明治42年頃 仏間蔵:仏蔵(仏間)-明和7年 荷蔵:北蔵(米蔵)-明治7年
連続した町並みをつくる柏倉家一族
“岡柏”の提灯が長屋門にかけられると、今日は柏倉九左衛門家が公開しているしるし。
柏倉九左衛門家は村山地方を代表する地主で、中山町岡・長崎両地区に居住する柏倉家一類(同族)の宗家(総本家)です。敷地約7,600㎡(約2,300坪)の中には、長屋門・主屋・内蔵・仏蔵・前蔵・北蔵(米蔵)など約1,412㎡(約427坪)の建屋を有しています。西側の三嶋山からの湧水を、生活用水として利用したり、敷地内の池や庭園に巡らせたり、野鳥や野生動物が訪れる屋敷と里山が一体となった四季折々を楽しめる美しいお屋敷です。
前蔵は貴賓室として特別なお客さまをお通しするために使われていました。木部を春慶塗、壁は漆塗の四分一に細かな金箔を散りばめた張付壁。上座敷の中央に床の間を設けてその両脇にそれぞれ書院風と帳台構風の床脇を配したつくりをしています。
仏間は柏倉家の大きな仏壇が置かれた蔵です。内陣の宮殿は京都で製作されて北前舟で運びこまれたと伝えられています。欄間は朱塗りで日本三景が彫られています。
かつては長屋門で雛人形を飾ったこともありましたが、平成元年からは仏間で雛人形を飾りはじめ、今でも桃の節句の時期には多くの方が鑑賞に訪れます。
九左衛門家とその周辺の屋敷群を取り囲むように黒板塀がまわり、連続した町並みをつくっています。近隣に分家を置く一族は多いですが、一族を中心にこれほど広い範囲に町並みをつくっているのは全国的にも珍しいです。
柏倉九左衛門家は指定名称を旧柏倉家住宅として平成29年に中山町へ寄贈され、令和元年には国の重要文化財に指定されました。現在はおもに土・日・祝日に一般公開をしています。